アテローム血栓性脳梗塞
2014/05/19更新
アテローム血栓性脳梗塞とは、アテローム性動脈硬化が要因にある脳梗塞のことです。
アテローム性動脈硬化とは、血管の壁に悪玉コレステロールが入り込んでしまうことにより、お粥のようなドロドロとした塊であるプラークが発生してたまってしまう動脈硬化のことです。
そして、動脈に付着したプラークが破裂すると、そこを修復しようとして血小板が活性化されて血栓ができたりして血管が詰まります。これがアテローム血栓性脳梗塞です。プラークは粥腫(じゅくしゅ)とも呼ばれています。
アテローム性動脈硬化は全身の太い血管に起こります。心臓に起これば心筋梗塞となり、末梢動脈に起これば末梢動脈疾患となります。脳に起こればアテローム血栓性脳梗塞です。主幹動脈が閉塞してしまうことも多く、直系1.5cm以上の梗塞となり、ラクナ梗塞より重症となることが多いです。
アテローム血栓性脳梗塞の症状
アテローム血栓性脳梗塞では、ラクナ梗塞とは異なり失語症や意識障害を生じることがあります。
動脈硬化が高度な場合は治療中であっても症状が重症化していくこともあります。
アテローム血栓性脳梗塞の原因
危険因子としては、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や喫煙も要因になります。
アテローム血栓性脳梗塞の治療
アテローム血栓性脳梗塞の治療では、おおむねラクナ梗塞でも使われる抗血小板剤や抗活性酸素薬といった薬が使われます。しかし、アテローム血栓性脳梗塞は急性期に症状が悪化する恐れもあります。
発症から時間内であれば、血栓溶解療法(t-PA療法)を行うことも可能です。
頸動脈などの太い血管に狭窄がみられた場合は、ステント治療や内膜剥離術といった外科手術も検討されます。
日常生活に支障が出る場合は、急性期の治療の後、回復期リハビリテーションがおこなわれます。