脳卒中発症のきっかけ
2014/04/02更新
脳卒中の発症のきっかけや誘因となるものを紹介します
脳卒中は生活習慣や遺伝、加齢などの要因を有している時に何らかのきっかけで発症することがよくあります。そのきっかけとなる様々な誘因を紹介します。
起床時に起こる血圧上昇(モーニングサージ)
血圧は睡眠時に下がり、起床前には当日の活動に備え上昇します。この起床時に起こる血圧上昇をモーニングサージといいます。
モーニングサージにより脳卒中を発症することも多く、このため脳卒中は起床時に起こりやすいとされています。
脱水
脱水状態になると血液がドロドロになりやすく、心臓の中で血栓ができやすくなり、脳梗塞を引き起こしてしまうことがあります。
飲水過多
脱水は怖いですがだからといって水分の取り過ぎもよくありません。飲水過多になると心不全を誘発し、心原性脳梗塞を誘発しやすくしてしまいます。
また、寝る前にたくさん水を飲んでも脳卒中を予防できるという根拠はありあません。逆に水を飲み過ぎることにより、夜間排尿が増え、睡眠不足に繋がってしまうこともあります。
水分は取り過ぎも取らなさ過ぎもよくありません。1日に1~1.5リットルくらいが適量とされています。
感染症
インフルエンザや肺炎、呼吸器感染症や尿路感染症になると、脱水や凝固能亢進(血がかたまりやすくなる)といった症状が見られることがあり、これらが脳卒中を誘発してしまう恐れがあります。
入浴
入浴中に脳卒中を発症するケースも多く見られます。特に血圧の上がりやすい朝に入浴したり、調子が悪い時に長時間入浴したりすると、さらに血圧が上昇し脳卒中のリスクが高まってしまいます。
入浴の際は急激な血圧上昇を避けるために次のことを守るようにしましょう。
- お湯の温度は42℃未満
- 長湯はしない
- 半身浴が望ましい
- できれば夕方に入浴
- 無理な入浴はしない
運動や興奮による血圧上昇
運動や精神的な興奮により血圧が上昇し、それが脳卒中発症のきっかけになることがあります。高血圧の人は普通の運動でも危険なこともあります。
運動療法をする際は医師の指示の下、適切に行いましょう。
季節の変わり目
季節の変わり目は体調を崩しやすく、血圧の変化もしやすいといわれています。脳卒中は春に少なく、6月から8月に増加する傾向にあります。このことから日本脳卒中協会は、夏に入る前の5月25日~5月31日を脳卒中週間としています。
外傷
さまざまな原因による外傷が脳梗塞やくも膜下出血を引き起こすことがあります。
- 転倒して頭などをうつ
- 歯ブラシを口に入れたまま転倒(主に子供)
- 交通事故
- カイロプラクティックなどによる頸部操作
- トランポリン
- 子供への激しい平手打ち
- ヨガ
- ゴルフ中の事故
- バレーボールで強い球を頭に受けた
- 下顎や頚椎の骨折
- 脳挫傷や脳震盪などの頭部外傷
- 美容院脳卒中症候群
美容院脳卒中症候群とは、首を反らした状態で洗髪してもらっているときに脳卒中の症状が起こることです。頸部の動脈が損傷することが原因と考えられています。