脳卒中の症状
2013/05/26更新
脳卒中の症状を紹介します。
運動障害
運動障害とは手足に力が入らなくなることです。ダメージを受けた脳と反対側の手足が麻痺します。片麻痺や半睡付随と呼ばれるものです。
軽い脳卒中の場合は、なんとなく手に力が入らない、物がつかめない、足がもつれる、まっすぐに歩けないなどが見られます。
重い脳卒中の場合は、刺激をしても全く動かないという完全麻痺が見られます。
意識障害
脳卒中の重症度により、意識障害の程度が変わってきます。脳卒中が軽ければ意識は正常ですが、重症になると昏睡状態になったりします。
意識障害は3つの段階に分けることができます。
- 軽度・・・呼びかけに反応するが、正確な応答はできない。
- 中度・・・目を閉じていて、呼びかけや刺激によって、目を開けて何とか応答できる。
- 重度・・・どんなに刺激を与えても目を開けない。昏睡状態。
感覚障害(しびれ感)
左右どちらかの手足や顔、または半身全体にしびれが生じることが多くあります。じんじんするしびれがあったり、物に触れる感覚がなくなったり、温度を感じなかったりします。
言語障害
構音障害や失語症があらわれることがあります。
構音障害とは、口のなかが麻痺して、発声や発音がうまくできない障害です。言葉の理解力には異常はありません。話すことに関係する脳の部位や脳神経が損傷したことにより起こります。
失語症とは、相手の言うことは理解できても言いたい言葉がでてこない障害です。または、言いたいことは発言できても、相手の言葉を理解できないためにつじつまの合わない会話になってしまう障害です。この両方の症状が出ている場合もあります。大脳の言語中枢の損傷によって起こります。
視力や視野の障害
一時的に目が見えにくくなる一過性黒内障という症状があります。頸動脈にできた血栓が眼動脈への血流を一時的に悪くして起こるものです。これは脳卒中の前兆でもあります。数秒から数分で回復するので見逃してしまいがちですが、血栓が脳内に流れこむと脳梗塞になりかねません。一過性黒内障が起きたら、直ちに専門医の診察を受けるようにしましょう。
また、ものの見える範囲が狭くなったり、ものが二重に見えることがあります。突然このような症状が現れた場合も、脳に障害が起こっている可能性があります。直ちに専門医による治療が必要です。
めまい
めまいには、ぐるぐる回って見える回転性めまいと、体がふらふらするような浮動性めまいがあります。いずれの場合も、めまいの他に運動障害や感覚障害があるかが脳卒中かどうか判断するポイントです。めまいだけの場合は脳卒中でない場合がほとんどです。突然、めまいが生じた場合は、脳卒中かどうか調べるため、専門医にみてもらうことをおすすめします。
頭痛
くも膜下出血の場合、これまで経験したことのないような激しい頭痛、ハンマーで殴られたような頭痛がします。吐き気や後頭部への強い痛みを伴うことが多いようです。ただし、出血量がごく少ない場合は頭痛が軽いこともあります。いずれにせよ、突然起こるのが特徴です。普段から頭痛がある場合は、いつもの違う痛みかどうかが判別のポイントです。
通常の脳梗塞の場合は頭痛が起こることは少ないです。ただし、血管壁の間に血液が入り込むという脳動脈解離の場合は、激しい痛みを伴うことがあります。