脳梗塞とは

脳梗塞とは

2014/05/19更新

脳梗塞とは

 脳梗塞とは脳の血管が詰まる病気で、脳卒中の一種です。
 脳梗塞になると、脳の動脈の閉塞、また脳虚血をきたし脳組織が酸素や栄養による不足のため壊死、または壊死に近い状態になります。またそれによる諸症状も脳梗塞と呼ばれることがあります。
 なんらかの原因で血栓(血の塊)ができ、脳の血管を詰まらせ、死につながることが多く、一命を取り留めたとしても、重い後遺症が残る可能性が高い病気です。

 

脳梗塞は増加傾向にあります

 脳梗塞は脳出血、くも膜下出血とともに脳卒中の一つです。脳卒中は長い間、日本の死亡原因の第1位でした。高血圧治療が広がったことにより、脳出血は急激に減少し、近年ではがん、心臓病についで第3位になりました。しかし、脳出血は減ったものの、脳梗塞はむしろ増加傾向にあります。

 

脳梗塞の患者数

 日本での脳梗塞の患者数は約150万人であり、毎年約50万人が発症するといわれています。日本人の死亡原因の中でも多くを占めており、後遺症を残して介護が必要になるケースが多いため、福祉面でも多くの課題を伴う疾患です。

 

脳梗塞の症状

 脳梗塞の症状は激烈で、片麻痺、意識障害、失語などがあります。
 具体的には、

  • どちらか片方の手足の力が入らない。
  • 半身の感覚が鈍い。
  • ろれつが回らない。
  • 口から食べ物や水がこぼれる。
  • よだれが垂れる。
  • 歩こうとすると左右どちらかに倒れそうになる。

 といった症状がみられます。これらの症状は、朝起きた時症状に気づく場合や仕事や食事など何らかの活動をしているときに発症する場合があります。

 

脳梗塞の早期発見の方法は「FAST」

 脳梗塞の早期発見の方法は、FASTという言葉で表現されます。顔(FACE)の麻痺の確認、腕(ARM)の麻痺の確認、言葉(SPEECH)の麻痺の確認、そしてこの3つの確認を行いどれかが該当していたら、すぐに(TIME)に救急車を呼ぶというものです。救急車の中ではどの症状が現れたかを伝えられるようにしておきましょう。
 ただし、飲酒をしている場合には、こういった症状がでるのは自然なことなので、心配することはありません。逆にいうと、飲酒中の状態と脳梗塞の症状の区別がつかず、見落とすことがあるということです。

 

脳梗塞の経過

 脳梗塞を自分で気づく症状で一番多いのが、麻痺です。体が傾いている、立ち上がれなくなった、などの訴えで病院に運ばれるケースがあります。
 脳梗塞の症状は徐々に進行していく場合もあれば、突然に発症する場合があり人それぞれです。急性期、亜急性期、慢性期と経過には3パターンありますが、少しでも早く病院に駆け込むのが、症状緩和完治の近道です。

 

脳梗塞の診断

 脳梗塞の診断は、神経内科または脳神経外科で行いますが、発症から4時間半以内の超急性期では迅速な対応が必要となるので救急科が行うことが多いです。検査では、身体所見、検査所見、画像所見があります。画像所見は、CTやMRI、MRA、頸動脈エコー、BPAS、心エコーなどがあります。

 

脳梗塞の原因

 脳梗塞を発症する原因としては、高血圧、糖尿病、高指血症、喫煙、過度の飲酒、肥満、運動不足などがあげられます。そしてこれらが重複している場合、さらに発症のリスクを高めることとなります。
 また、脳梗塞の原因として脱水症状があります。脳梗塞が発症する時間帯が夜中から早朝にかけて多いのは、就寝前にあまりとらないためといわれています。とくに高齢者は、夜間の頻尿頻度を抑えるため、水分を控える傾向にあります。また年間を通してでは、夏と冬に脱水症状が多く見られます。夏は暑さによる発汗が原因で、冬は寒さの為あまり体を動かさなくなることが原因です。

 

脳梗塞の予防

 生活習慣病が増加することによって、脳梗塞も発症する人が増えているといえるでしょう。生活習慣病の予防が脳梗塞の予防につながります。ドロドロの血液を改善することで、少しでも発症のリスクを抑えることができます。