ラクナ梗塞
2014/05/19更新
ラクナ梗塞は、穿通枝と呼ばれる細い終動脈が梗塞する直径1.5cm未満の小さな脳梗塞のことを指します。ラクナには水たまりという意味があります。ラクナ梗塞の脳を解剖すると実際には小さな穴が空いていて水たまりのようにみえることからこの名前がついています。
ラクナ梗塞の原因
ラクナ梗塞は、高血圧や喫煙などにより末端の細い動脈(穿通枝)が断続的に収縮刺激を受け、柔軟性がなくなり動脈硬化になり、それによって梗塞が起こるとされています。
ラクナ梗塞は高血圧と関係が深く、かつては日本での脳梗塞の半分以上を占めていました。ただ近年は国をあげての高血圧対策により、割合は減少し、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳塞栓症とほぼ同じ1/3を占めています。
ラクナ梗塞は高血圧が最も関連深い危険因子ですが、糖尿病や脂質異常症、高尿酸血症も原因になります。
ラクナ梗塞の症状
穿通枝は脳の中で脳幹部・視床・内包・線条体・橋・大脳深部白質(放射冠)といった部位に存在するため、その症状は梗塞した部位によってさまざまです。
- 内包・橋→片麻痺のみ
- 視床→半身感覚障害のみ
- 内包~放射冠・橋→片麻痺+同側半身失調
- 内包~放射冠・橋→構音障害+手の運動障害
- 視床~内包→片麻痺+半身感覚障害
ラクナ梗塞の治療
ラクナ梗塞の治療の初期は、抗血小板剤や抗活性酸素薬が投与されます。また、日常生活に支障が出る場合は、早期からリハビリを始めます。
ラクナ梗塞の再発防止
脳梗塞は再発しやすい病気です。退院後も抗血小板薬の内服を続け、高血圧などの動脈硬化のリスクを避けるようにします。
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