脳卒中・脳梗塞の症状・原因・診断・予防・治療・リハビリ

脳卒中から身を守ろう

脳卒中はある日突然起こります。
脳卒中、日本人が亡くなる原因で3番目に多い病気です。
一命をとりとめても、後遺症や再発に悩む患者や家族も少なくありません。

 

知っておきたい脳卒中、脳梗塞の最新情報を紹介します。
予防・早期発見・早期治療・早くからのリハビリが、脳卒中から身を守ります。

脳卒中の種類

脳卒中には大きく3つあります。

脳梗塞

脳の血管が詰まったり、細くなったりして、血流が悪くなり、脳の神経細胞が部分的に死んでしまう病気です。

脳出血

脳の細い血管が裂けて出血し、その血が固まってできた血腫が脳の細胞を破壊したり、周囲の脳を圧迫したりして、その部分の脳の働きに支障をきたす病気です。

くも膜下出血

脳とその表面にある薄い膜(くも膜)の間を流れる血管が裂けて出血し、血液が脳とくも膜との間の隙間(くも膜下腔)に急激に広がっていく病気です。

 

脳卒中の内訳です。脳梗塞が圧倒的に多いです。

病名 割合(%)
脳梗塞 75.4
脳出血 17.8
くも膜下出血 6.8

特に脳梗塞は死亡率が高い

脳梗塞は、脳卒中の一種であり、脳の血管がつまる病気です。

 

近年、脳梗塞で亡くなる方の割合が増えています。

脳出血の死亡率 脳梗塞の死亡率
1960年 76% 13%
2009年 27% 59%

 

なぜ脳出血が減ったかというと、国民全体で高血圧の治療をしたためです。
血圧を下げれば脳出血は予防できます。脳梗塞の予防・早期治療が課題とされています。

脳卒中は要介護となる原因の第1位

死亡率もさることながら、脳卒中が要介護となる原因の圧倒的第1位であることも大きな問題です。

原因 割合(%)
脳卒中 32.0
認知症 15.6
高齢による衰弱 11.6
骨折 9.4

脳梗塞は絶対になってはいけない病気です

脳卒中・脳梗塞は死につながる病気です。
たとえ一命を取り留めても、重い後遺症が残る可能性の高い病気です。

 

脳梗塞は、何度も発作を繰り返すことのある病気です。始めは軽症であっても、繰り返していくうちに、後遺症が重くなっていくことも多いです。脳梗塞の患者のうち、完治するのが20%、何らかの後遺症を抱える人が73%、死亡する人が7%というデータがあります。

 

また、脳梗塞は通常頭痛を伴いません。そのため発作が起こっても、病院に行かず、早期治療のチャンスを逃してしまう問題があります。

 

脳卒中になったら、直ちに救急車で病院に行ってください。早く診断して治療を開始するほど、良い結果が期待できます。
とくに、脳梗塞の場合は、「t-PA血栓溶解療法」を受けられるチャンスがあります。

 

脳卒中・脳梗塞にならないために、普段からの予防、早期発見、早期治療を心がけましょう。

脳卒中は1つの病院だけで治せるものではありません

 不幸にして脳卒中になってしまうかもしれません。脳卒中は1つの病院だけで治せる病気ではありません。急性期から回復期にかけて、病院スタッフ、在宅診療のホームドクター、介護スタッフ、リハビリスタッフなどが手を取り合ってはじめて十分な治療ができるものです。