血圧変動タイプの人
2013/11/27更新
高血圧でもない、糖尿病もない、減塩にも気をつけている、悪玉コレステロールも正常。それなのに、脳卒中が起こる人がいます。
最近分かってきた脳卒中のパターン―穿通枝が詰まる
その脳卒中は、太い血管から直接延びている細い血管(穿通枝・せんつうし)が詰まって起きています。
普通の血管は太い血管から段々枝分かれして徐々に細い血管になります。そのため、細い血管に強い圧力はかかりません。
穿通枝は太い血管から直接つながっています。そのため太い血管からの圧力を細い穿通枝がもろに受けている形になります。
血圧変動タイプの人は穿通枝が詰まりやすい
誰にでも穿通枝はあります。しかし、あるタイプの人がこのような形の脳卒中が起こりやすいことがわかりました。
それが血圧変動タイプの人です。あまりにも起こりやすいので脳卒中体質とも呼ばれています。
血圧変動タイプの人は文字通り血圧の変動が大きい人のことです。夜は低かったのに、朝起きたら高くなっているというような人です。
血圧変動タイプは、遺伝との関連は薄いと言われています。また、60代では4人に1人、70代では3人に1人いると言われています。
なぜ血圧変動タイプの人が脳卒中を起こしやすいのか
穿通枝の血管の壁は平滑筋という筋肉でできていて、血管が広がりすぎるのを抑えています。
血圧変動タイプの人は血圧が上がったり下がったりを繰り返すので、平滑筋はたくさん働かないといけなくなり、だんだん手に余るようになります。
すると平滑筋は増殖因子を出して、仲間を増やして血管の拡張を抑えるようにします。平滑筋が増えていくと血管の内側がどんどん太くなり、血管が詰まり、脳梗塞を引き起こすのです。
血圧変動タイプかどうかのチェック方法
まず、普通に血圧を測ります。次に、いったん立って座ってから、再び血圧を測ります。
1回目と2回目の差が15(mmHg)以上、上がったり下がったりしていないかチェックします。
1日のうち何回かやってみて、何度やっても15(mmHg)以上差があるようなら、血圧変動タイプです。
血管変動タイプを防いだり治す方法
血管が硬くなると血圧を調整する働きが悪くなります。喫煙、加齢、ストレスは交感神経を刺激し、血管を硬くする要因になります。控えるようにしましょう。
減塩したり、適度の運動をしたり、睡眠の質を上げると、交感神経が抑えられれて血管が柔らかくなります。実践しましょう。
良い睡眠とは夜、目が覚めないことです。焦って眠ろうとせず、眠くなってから床につくのがポイントです。
そのほかの睡眠障害も改善しましょう。
血圧変動タイプの人は危険ですが、高血圧の人ももちろん脳卒中のリスクが高いので十分注意しましょう。
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